実は日本の医療は先進国で最低だ

ガンで何度も死にかけた私が今思うこと!

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やがて医師が言った。

「ともかく病院を転院されるまでは私に責任があります。何か希望がありますか」

私は言った。ウンチを柔らかくする薬が殆どなくなっていた。

「先生。ウンチを柔らかくする薬だけをできるだけたくさん下さい。他の薬は一切いりません。阿保先生や石原先生の本を読み他の薬は飲まないことにしました」

「分かりました。それではその薬だけ出来るだけ沢山出しましょう。何か問題があればいつでも来て下さい」

病院を出るとホッとした。本当に大役を終えた。そして考えた。この医師も良い人だ。抗癌剤を勧めたのも本当に良いと思っていたのだろう。

実際には抗癌剤をしていれば今の私はなかった筈だ。絶対に六十五歳で死んでいたことだろう。生徒の数はたった四人だったがそれでも私は塾の経営を終えたくなかったのだ。

高山病院なら人工肛門閉鎖手術をしてくれるだろう。無理にそう信じた。信じざるを得なかったのだ。

そして愚かな私は尚、期待していたのだ。今の四人の生徒がやがて増える。そして大阪市内でしていたように、その生徒が十人になり、更に元のように百人にまで増えると、本気で期待していた。

本当に今思えば私は愚かだった。若い時と違う。やはり若ければ生徒の心もよく分かる。エネルギーも違う。元の大阪市内のように簡単に生徒が百人にまで戻るはずがないのに、馬鹿な私は期待していたのだ。

結論を言えば、約一ヶ月ころを経て高山病院に行くことになった。私は緊張していた。しかし松木君の持ってきてくれた本が支えだった。やはり友人は有り難い。

舟瀬先生の講演を見てくれなかったのは残念だが、それが平均的日本人なのだと納得せざるを得なかった。

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