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実は日本の医療は先進国で最低だ

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何も出来なかった。私は自分の運転には自信があった。どれほど苦しみながらも、それでも事故は起こさない自信があった。

理由は簡単である。私は常に「事故は起こさない、事故は起こさない」そう唱えながら運転しているからだ。

注意を精一杯払いながら運転しているのだ。赤信号で止まっている時に、後ろから追突されたことはあるけれど、自分から、人の車にぶつけたことは一度もなかった。

正直、「医者に私の運転を拒否する権利があるだろうか」そう思ったのだが、医者は断固拒否したのだ。

今、ベッドに何かの器具を取り付けられたままで、それらの器具を取り払い、駐車場まで一気に駆け抜けるほどの勇気はさすがになかった。

万事休すである。私に何が出来るだろう? 家族の対話を必死になって思い出した。どうして連絡出来るだろう? 何か手段はないだろうか? 自分の体のことで頭が一杯だったのだ。

家族の対話なんて思い出せない。しかし、懸命に考えた。やっと微かに記憶がよみがえった。

三女が
「今日は久しぶりにジャンカラでアルバイトをする」
はっきりとはしなかったが、そう言っていたような気がした。

「ひょっとしたら、三女がジャンカラでアルバイトしているかもしれません」


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しかし、何度NTTに聞いても分からないと言う。新規の問い合わせを断つために何か手続きをしたのだろうか? 長女と次女は会社を変わり、会社名は分からなかった。女医も看護婦も困り果てていた。

私は言った。
「家に帰れば壁に連絡先が貼ってあります」
 女医が私に尋ねた。

「どうやって家に帰りますか」
 私は即答した。

「車です。駐車場に私の車があります」
 女医は驚いた様子だった。

「この状態で車を運転するなんて不可能です。ここまで車を運転してきたのですか?  信じられません。今、医者として貴方が車を運転するなんてとても許可出来ません」


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確かに、そんな思いが私の脳裏をかすめた。


しかし、次の瞬間、この痛さを取り除いてほしい。この痛みさえ、取り除かれれば死んでも良いと思えた。私は迷わず言った。

「手術をして下さい。お願いします」

「手術をしなければなりませんが、それには家族の同意書が必要です。
電話はこちらでしますので、家族の連絡先を教えて下さい」


ところが、家族への連絡が大変だった。自宅に帰れば壁に連絡先が貼ってあった。携帯電話を家族の中では私だけが持っていなかった。


塾と自宅には固定電話があり、自宅には留守番電話があった。私にとって携帯は全く必要なかったのだ。我が家においては、家族がそれぞれ自分の携帯電話を持っており、私だけが自宅と塾の教室に固定電話を持っていたのだ。

妻の会社名を言ったのだが、連絡がつかない。実は妻の会社は中国に移すことを決めており、撤退を決めていた。もはや、電話を切ったのだろうか?

「そんな馬鹿な! いくら撤退を決めても、連絡先くらいはあるだろう!」


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ガンとはガン細胞が普通の細胞を次々と、ガン細胞に変えていく。そしてやがては人間は必ず死ぬ。小さい時から、ずっとそのように聞かされていた。

 高校の英語の教科書でもこんな話が紹介されていた。

white lie、白い嘘、すなわち、許される嘘の代表として、医者がガン患者に対して「あなたはガンではありません」というのが、white lie の例に挙げてあるほどだった。

ガンになると決して治らないので、医者がガンであることを秘密にする。死を迎えた患者に対するやさしさ、ガンを知らせない医者の親切心であり、許される嘘だったのだ。

後に、現代ではガンであることを知らせるのが普通であることを知ったが、何分、病気に対しては一切知ろうとしなかったので、常識の変化についても無知だった。

それ程、病気については無頓着であり病気になれば医者に頼る以外全くの無能者だったのだ。本当にバカだったと今にしては思う。
だからガンなのに教えてくれた。不思議ではあったが、そんな疑問も一瞬だけだった。

ガンになれば助からない。ガンに侵されれば必ず死ぬ。私は死ぬのか?


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私は言った。
「おしっこがしたくてしたくて堪らないのに、出ないのです」

「そうですか。何とかしましょう」

いろいろな処置を受けて、おしっこが出たのだった。しかし、お腹の痛みはもはや激痛という言葉を超えるほど、強烈でこの痛みを逃れるのなら死にたいと言う程、強いものだった。

しかも、痛みが秒ごとに増していったのだ。漸く、岡山さんという女医が私に説明してくれた。

「大腸に大きなポリープがあります。それが便を止めているのです。もはやこのポリープを取り除く以外方法がありません。

中野さん、今日は金曜日です。土日は病院の手続き上、手術は出来ません。とても、月曜日までは持たないでしょう。

残酷な言い方ですが、よくここまでもったという感じです。普通の患者さんなら、亡くなっていても不思議ではありません。

今日急いで手術でこのポリープを取り除く必要があります。このポリープとは、一言でいえばガンです」

私はあっと驚いた。衝撃だった。

前述したように、人体について考えるのも嫌で病名などは一切知らなかったのだが、さすがにガンの名前は知っていた。


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しばらく抗議した後で、医師は私にゆっくり話してくれた。

「気の毒やけれど、もう一度紹介書が必要みたいやね。内としては紹介書を書く以上、書類代と今日の診療代も必要や」
もちろん私は覚悟していた。

 ともかく、前日と同じく事故を起こさないように気を付けながら、運転しきちんと駐車場に車を止めると急いで、済山会の受付に行こうとした。すると、受付の前に看護婦さんが待っていた。

「中野さんですか」
と問われた。

私が「そうです」と答えると、「検査するので入って下さい」
と、いきなり別室に通された。

おそらく、石山医院の抗議が利いていたのだろう。VIP扱いを受けたのだ。

大病院で待つことがないのは政治家か大金持ちか有名人くらいだろう。私も睡眠時無呼吸症で来院したとき、常に待たされていた。


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医師は茫然として、独り言のように
「済山会に電話しよう」

 そう言って私の目の前で受話器を持った。

「あー、もしもし、そちらでは紹介書も読まないで診療するのですか。
経過を知って治療するのが当然の治療と思うのですが、そちらでは対処療法しかしないのですか。それが済山会のやり方ですか」

医師が怒って電話するのを見るのは初めての体験だった。



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真剣に考えた。紹介書を書いてくれた石山医院、そこに行くのが最も賢明としか思いつかなかった。薬と酒の力で無理やり寝た身であり食事など、とてもとれる状態ではなく石山医院まで車を動かした。

駐車場は前日と同じく一杯で、玄関の前にぎりぎり駐車して診療を待った。軽は本当に有難かった。正直、経済的理由で軽にしたのだったが、この二日間は軽であることに心から感謝した。

やがて呼ばれた私に医師は驚いた顔で言った。
「どうしたの? 済山会で検査を受けなかったの? 元々、内は消化器系に弱い。出来ることは何もないよ」

「どうして良いか分からなかったのです。泌尿器科でどうにかおしっこは出ました。来週来るように言われましたが、もう、今日おしっこが出ないのです。どうして良いか分からなかったのです」

「内科に回してもらわなかったの? 紹介書には内科に回してもらうように書いたけどね」

「多分、紹介書を読んでいないと思います。私が『便秘はどうなるのですか』と尋ねると『便秘は掛かりつけのお医者さんに行ってや。ここは泌尿器科やで。来週来なさい』そう言われましたが、もう、今日おしっこが出ないのです」



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 家に帰った私は、どうして良いのか全く分からなかった。確かなことは、このままでは良くないということだった。しかし、内科に回してくれなかった。私に何が出来るだろう。

私は小さい塾を経営していた。十一月になると入学試験も近い。大手に行かず私を信頼してくれている生徒を指導しなければならない。とにかく全力で指導する以外ない。私はいつもの通り生徒を指導した。


しかし、指導を終え、帰宅すると原因の分からない体のことを考えた。
そもそも、私は病気のことなんか考えることさえ嫌で、六十四歳になるまで、無事にこられた。


睡眠時無呼吸症の問題はあったけれど、それでも、月に一回済山会に通うことにより、安心していた。

不注意だったのかもしれない。しかし、他の病気については全然心配していなかった。それだけに、石山医院の医師に言われたことは大変なショックだった。

内科で検診しなければならないのに、内科に回して貰えなかった。自分の体に何が起きているのだろうか。

食欲などわかない。眠れない。しかし、寝なければならない。私は睡眠薬を飲み、酒を飲んで忘れようと努めた。寝よう、寝よう。そう念ずるだけだった。おしっこが出るだけ助かった。


あくる日、金曜日の朝、トイレに行くとおしっこが出ない。全く出なかった。前日の苦しみを再び味わうのであった。どうしよう。

医者に行く以外、選択肢はない。しかし、済山会の泌尿器科に行くことは出来ない。何しろ、
「来週来なさい」
としか、言われなかったのだ。

来週どころか次の日におしっこが出ないのだ。

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駐車場に車を止めて、順番を待った。大病院で治療を受けるのはいつも待たされることは良く分かっていた。我慢する以外なかった。

どれ程待たされたことだろう。やっと私の名が呼ばれた。医師はこともなげに事務的に処理してくれた。どういう処置をしてくれたのか、全く分からないが何とか溜まっていたおしっこを出してくれた。そして、おもむろに私に言った。


「来週、来なさい」
「内科に行かなくて良いのでしょうか。私の便秘はどうなるのですか」

医者は面倒くさそうに私に言った。
「便秘は掛かりつけのお医者さんに行ってや。ここは泌尿器科やで」
私は言いたかった。

「内科の先生の精密検査を受けるように言われているのですが」

しかし、その言葉が出る前に、医者が大きい声で言った。
「次の人」
 私は何も言えず、診療室を後にせざるを得なかった。


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Author:xo6em3gc9c1o
64歳でガンになりました。その偽らざる経験を知って頂きたいのです。

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